一人別枠方法の合理性

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一人別枠方法の合理性(最大判平成23・3・23)

:要約記載なし、百選(第5版)掲載なし、百選Ⅱ(第6版)158事件p.338

 

2009年実施の衆議院議員総選挙後、東京都内の複数の選挙区の選挙人らが原告となって、選挙無効訴訟を提起した事件。

 

争点 1人別枠方式の採用に、合憲性を基礎づける合理性はあるか

結論 過去はあったが、現在はない

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「議員は、いずれの地域の選挙区から選出されたかを問わず、全国民を代表して国政に関与することが要請され・・・地域性に係る問題のために、・・・投票価値の不平等を生じさせるだけの合理性があるとはいい難い。しかも、本件選挙時には、1人別枠方式の下でされた各都道府県への定数配分の段階で、既に各都道府県間の投票価値にほぼ2倍の最大較差が生ずるなど、1人別枠方式が・・・選挙区間の投票価値の較差を生じさせる主要な要因となっていた」

 

「本件区割基準のうち1人別枠方式に係る部分は、遅くとも本件選挙時においては、その立法時の合理性が失われ・・・それ自体、憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っていた」

 

「衆議院は、その権能、議員の任期及び解散制度の存在等に鑑み、常に的確に国民の意思を反映するものであることが求められており、選挙における投票価値の平等についてもより厳格な要請があるものといわなければならない。したがって、事柄の性質上必要とされる是正のための合理的期間内に、できるだけ速やかに本件区割基準中の1人別枠方式を廃止し、・・・本件区割規定を改正するなど、投票価値の平等の要請にかなう立法的措置を講ずる必要がある」

 

※ 今までの判例の流れから見ても異例なほど、投票価値の平等尊重に舵を切ったことように見える判決です。