参議院非拘束名簿式比例代表制違憲訴訟

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参議院非拘束名簿式比例代表制違憲訴訟(最大判平成16・1・14)

:要約p.245、百選Ⅱ(第5版)166事件p.346、百選Ⅱ(第6版)159事件p.340

 

拘束式比例代表制から非拘束式比例代表制へ移行されて初である2001年の参議院議員総選挙後、新制度の合憲性を争い、比例代表選挙の選挙無効を求めて出訴され、また、選挙区間の議員1人当たりの選挙人数の最大較差が5.06対1であった事を理由とする選挙区での選挙無効も併せて争われた一連の事件。

 

争点 参議院の非拘束名簿式比例代表制は、合憲であるか

結論 合憲である

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「名簿式比例代表制は、各名簿届出政党等の得票数に応じて議席が配分される政党本位の選挙制度であり、本件非拘束名簿式比例代表制も、各参議院名簿届出政党等の得票数に基づきその当選人数を決定する選挙制度であるから、本件改正前の拘束名簿式比例代表制と同様に、政党本位の名簿式比例代表制であることに変わりはない。憲法は、政党について規定するところがないが、政党の存在を当然に予定しているものであり、政党は、議会制民主主義を支える不可欠の要素であって、国民の政治意思を形成する最も有力な媒体である。したがって、国会が、参議院議員の選挙制度の仕組みを決定するに当たり、政党の上記のような国政上の重要な役割にかんがみて、政党を媒体として国民の政治意思を国政に反映させる名簿式比例代表制を採用することは、その裁量の範囲に属することが明らかであるといわなければならない。」

 

「そして、名簿式比例代表制は、政党の選択という意味を持たない投票を認めない制度であるから、本件非拘束名簿式比例代表制の下において、参議院名簿登載者個人には投票したいが、その者の所属する参議院名簿届出政党等には投票したくないという投票意思が認められないことをもって、国民の選挙権を侵害し、憲法15条に違反するものとまでいうことはできない。」

 

※ 本判決は、正確には、同日になされた❶非拘束名簿式比例代表制の合憲性が争われた事件(平成15年(行ツ)第15号)一つと、❷定数配分規定の合憲性が争われた事件(平成15年(行ツ)第24号)一つの計二つの判決を一緒に取り扱ったものです。

※ 判示内容や構造は、小選挙区比例代表並立制違憲訴訟(最大判平成11・11・10)をほぼそのまま踏襲したものとなっています。