在宅投票制度廃止事件

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在宅投票制度廃止事件(最判昭和60・11・21)

:要約p.249、百選Ⅱ(第5版)212事件p.438、百選Ⅱ(第6版)197事件p.420、伊藤96事件p.676

 

原告は、脊髄前角炎・圧迫性脊髄炎症であり、下半身の硬直により、車椅子に乗ることすらできない状態になり、投票所へ行くことは不可能となっていた。当時の公職選挙法においては、(過去認められていた)在宅投票が廃止されていたため、原告は、立法不作為等を理由に国家賠償を請求した事件。

 

争点 国会議員の立法行為は、いかなる場合に国賠法上の違法性を有することになるか

結論 容易に想定し難いような例外的な場合のみである

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「国会議員の立法行為が同項(=国家賠償法1条1項)の適用上違法となるかどうかは、国会議員の立法過程における行動が個別の国民に対して負う職務上の法的義務に違背したかどうかの問題であって、当該立法の内容の違憲性の問題とは区別されるべきであり、仮に当該立法の内容が憲法の規定に違反する廉があるとしても、その故に国会議員の立法行為が直ちに違法の評価を受けるものではない。」

 

「国会議員の立法行為は、本質的に政治的なものであって、その性質上法的規制の対象になじまず、特定個人に対する損害賠償責任の有無という観点から、あるべき立法行為を措定して具体的立法行為の適否を法的に評価するということは、原則的には許されない

 

「国会議員は、立法に関しては、原則として、国民全体にたいする関係で政治的責任を負うにとどまり、個別の国民の権利に対応した関係での法的義務を負うものではないというべきであって、国会議員の立法行為は、立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行うというごとき、容易に想定し難いような例外的な場合でない限り、国家賠償法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けない」