租税法律における遡及的立法

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租税法律における遡及的立法(最判平成23・9・22)

:要約記載なし、百選(第5版)掲載なし、百選Ⅱ(第6版)204事件p.434

 

原告は、所得税の確定申告書を所轄税務署長に提出した際、租税特別措置法31条改正によって変更された損益計算方法に関する更正の請求をしたが、所轄税務署長は更正をすべき理由がない旨の通知処分をし、異議申立て・審査請求を経たがいずれも棄却されたため、通知処分は違法であるとして国に対して処分取消を求めて出訴した事件。

 

争点 納税者の有していた期待を奪う租税法律の遡及的立法は憲法84条に反しないか

結論 期待をする地位は、不確定なものであり、正当化されうる

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「憲法84条は、課税要件及び租税の賦課徴収の手続が法律で明確に定められるべきことを規定するものであるが、これにより課税関係における法的安定が保たれるべき趣旨を含む」

 

「本件改正附則が憲法84条の趣旨に反するか否かについては、上記の諸事情(=当該変更の具体的な対象、内容、程度等)を総合的に勘案した上で、このような暦年途中の租税法規の変更及びその暦年当初からの適用による課税関係における法的安定への影響が納税者の租税法規上の地位に対する合理的な制約として容認されるべきものであるかどうかという観点から判断するのが相当と解すべきである」