旭川国保条例事件

Pocket

 

旭川国保条例事件(最大判平成18・3・1)

:要約p.301、百選Ⅱ(第5版)218事件p.450、百選Ⅱ(第6版)203事件p.432、小山20事件p.154、伊藤98事件p.687

 

原告は、旭川市を保険者とする国民健康保険の被保険者であるところ、旭川市から国民健康保険料の賦課処分を受けたため、保険料の減免を申請したが、旭川市長は減免事由に該当しない旨通知した。そこで、原告は旭川市・旭川市長を相手取って、賦課処分・減免非該当処分の取消しや無効確認を求めて出訴した事件。

 

争点 国民健康保険の保険料は憲法84条の定める租税にあたるか、また、憲法84条の趣旨は及ぶか

結論 あたらないが、趣旨は及ぶ

 

【覚えるべきフレーズ】

 

国又は地方公共団体が、課税権に基づき、その経費に充てるための資金を調達する目的をもって、特別の給付に対する反対給付としてでなく、一定の要件に該当するすべての者に対して課する金銭給付は、その形式のいかんにかかわらず、憲法84条に規定する租税に当たる」

 

・・・このように租税を定義し、国民健康保険の保険料は、被保険者において保険給付を受け取ることに対する反対給付である等の理由から、「租税」にはあたらない(=憲法84条が保険料に直接適用されない)、としています。

 

・・・また、形式が税であれば、上記定義に当らなくとも憲法84条にいう租税に当たるため、上記判例の文言は、厳密には「租税の定義」というよりは、「形式が税でない場合に、なお「租税」に当たるとして憲法84条が直接適用されるための基準」です。

 

「憲法84条は、課税要件及び租税の賦課徴収の手続が法律で明確に定められるべきことを規定するものであり、直接的には、租税について法律による規律の在り方を定めるものであるが、同条は、国民に対して義務を課し又は権利を制限するには法律の根拠を要するという法原則を租税について厳格化した形で明文化したものというべきである。したがって、国、地方公共団体等が賦課徴収する租税以外の公課であっても、その性質に応じて、法律又は法律の範囲内で制定された条例によって適正な規律がされるべきものと解すべきであり、憲法84条に規定する租税ではないという理由だけから、そのすべてが当然に同条に現れた上記のような法原則のらち外にあると判断することは相当ではない。そして、租税以外の公課であっても、賦課徴収の強制の度合い等の点において租税に類似する性質を有するものについては憲法84条の趣旨が及ぶと解すべきである」

 

・・・このように述べ、国民健康保険料は、強制加入とされ、保険料が強制徴収されている事等から租税に類似するものとして憲法84条の趣旨が及ぶものとされています。