幼児教室助成事件

Pocket

 

幼児教室助成事件(東京高判平成2・1・29)

:要約p.300、百選Ⅱ(第5版)221事件p.456、百選Ⅱ(第6版)206事件p.438、伊藤99事件p.693

 

埼玉県吉川町は、幼稚園不足等を背景として、幼児の保護者らによって構成される権利能力なき社団である幼児教室に町所有の土地建物を無償で使用させ、補助金を支出していたが、吉川町の住民である原告が、町所有の土地建物使用差止めと補助金相当額の損害賠償を求めて町長及び前町長を相手取って出訴した事件。

 

争点 幼児教室への公費助成は憲法89条に違反するか

結論 違反しない

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「同条(=89条)後段の教育の事業に対する支出、利用の規制の趣旨は、公の支配に属しない教育事業に公の財産が支出又は利用された場合には、教育の事業はそれを営む者の教育についての信念、主義、思想の実現であるから、教育の名の下に、公教育の趣旨、目的に合致しない教育活動に公の財産が支出されたり、利用されたりする虞れがあり、ひいては公の財産が濫費される可能性があることに基づくものである」

 

「教育の事業に対して公の財産を支出し、又は利用させるためには、その教育事業が公の支配に服することを要するが、その程度は、国又は地方公共団体等の公の権力が当該教育事業の運営、存立に影響を及ぼすことにより、右事業が公の利益に沿わない場合にはこれを是正しうる途が確保され、公の財産が濫費されることを防止しうることをもって足りる