予防接種事故事件

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予防接種事故事件(東京高判平成4・12・18)

:要約p.176、百選(第5版)掲載なし、百選(第6版)掲載なし

 

旧予防接種法により、あるいは地方公共団体が勧奨した予防接種を受けた結果、副作用により、多数の乳幼児が死亡し、又は後遺障害を残すに至った。そこで、このような被害児及びその親ら計160名が国に対して、国家賠償・損失補償を求め出訴した事件。

 

争点 生命・身体の特別の犠牲に対して、憲法29条3項が類推適用され、損失補償を要するか

結論 要する

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「生命・身体に対して特別の犠牲が課せられた場合においても、右憲法29条3項を類推適用し、かかる犠牲を強いられた者は、直接憲法29条3項に基づき、被告国に対し正当な補償を請求することができる」

 

※ 本判決は、はじめて憲法29条3項により、法律の規定を上回る補償を認めたものです。憲法29条3項が、財産権について損失補償の直接請求権を認めている事を前提に、財産権についてすら特別の犠牲に対して補償を受けられるのだから、(財産権よりも価値の高い)生命・身体についての特別の犠牲については当然憲法29条3項の類推適用によって補償を受けられるよね、という考え方が背景にあります。