河川付近地制限令事件

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河川付近地制限令事件(最大判昭和43・11・27)

:要約p.171、百選Ⅰ(第5版)113事件p.228、百選Ⅰ(第6版)108事件p.228、伊藤57事件p.398

 

宮城県知事は、名取川の河川敷について河川付近地に指定し、砂利採取には、知事の許可が必要であることとした。被告人は、以前から砂利採取販売業者であるところ、知事に許可申請をしたが却下されたため、無許可で砂利の採取を行った。この行為が、河川付近地制限令違反として起訴された事件。

 

争点 憲法29条3項を直接根拠とした損失補償請求はなしうるか

結論 補償請求する余地が全くないわけではない

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「同令(=河川付近地制限令)4条2号の定め自体としては、特定の人に対し、特別に財産上の犠牲を強いるものとはいえないから、右の程度の制限を課するには損失補償を要件とするものではなく、したがって、補償に関する規定のない同令4条2号の規定が所論のように憲法29条3項に違反し無効であるとはいえない。」

 

「同令(=河川付近地制限令)4条2号による制限について同条に損失補償に関する規定がないからといって、同条があらゆる場合について一切の損失補償を全く否定する趣旨とまでは解されず、原告も、その損失を具体的に主張立証して、別途、直接憲法29条3項を根拠にして、補償請求をする余地が全くないわけではない