代償措置事件

Pocket

 

代償措置事件(最判平成12・3・17)

:要約p.199、百選(第5版)掲載なし、百選(第6版)掲載なし

 

人事院は、国家公務員の給与を引き上げる勧告を行なったが、政府は財政逼迫を理由に、人事院勧告を完全凍結した。そこで、全農林労働組合は、人事院勧告の完全実施を目標とするストライキを実施することにした。そして、全農林の役員である原告は、地方本部のストライキの実施を指導し、現にストライキが行なわれたとして、食糧事務所長らから、停職3か月から6カ月の懲戒処分を受けたため、その処分の取消しを求めて提訴した事件。

 

争点 人事院勧告の実施を求める争議行為は、憲法28条によって保障されているか

結論 保障されているとはいえない

 

※ 問題となったのは、全農林警職法事件判決の法理からは、「❸人事院という代替措置がある」ことが、公務員の争議行為を制約できるとする一つの理屈であったのですが、人事院が機能していないとしたら、この法理は妥当しないのではないか、という点です。本判決は、人事院は機能しているため、このような問題状況にはない、と判断しました。