東京都教組事件

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東京都教組事件(最大判昭和44・4・2)

:要約p.196、百選Ⅱ(第5版)152・214事件p.318・442、百選(第6版)145・199事件p.310・424、伊藤70事件p.490

 

東京都教職員組合は、加盟組合員に有給休暇を一斉に請求した上で集会に参加するよう指令し、約3万7700名中約2万4000名の教職員が参加した。そこで、東京都教職員組合の委員長、執行委員、支部長らの組合役員が被告人となり、同盟罷業(ストライキ)の遂行をあおった事を理由に地方公務員法37条1項・61条4号違反として起訴された事件。

 

争点 地方公務員の争議行為をあおる行為を処罰することは憲法28条に違反しないか

結論 合憲限定解釈できなければ違反するが、できるため違反しない

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「(地方公務員法の諸規定が、)文字どおりに、すべての地方公務員の一切の争議行為を禁止し、これらの争議行為の遂行を共謀し、そそのかし、あおる等の行為をすべて処罰する趣旨と解すべきものとすれば、それは、前叙の公務員の労働基本権を保障した憲法の趣旨に反し、必要やむを得ない限度をこえて争議行為を禁止し、かつ、必要最小限度にとどめなければならないとの要請を無視し、その限度をこえて刑罰の対象としているものとして、これらの規定は、いずれも違憲の疑を免れない

 

「法律の規定は、可能なかぎり、憲法の精神にそくし、これと調和しうるよう、合理的に解釈されるべきものであって、この見地からすれば、これらの規定の表現にのみ拘泥して、直ちに違憲と断定する見解は採ることができない」

 

・・・と述べ、二重のしぼり論と呼ばれる合憲限定解釈を導いています。憲法28条に関する部分としては、全逓東京中郵事件判決を踏襲し、地方公務員にも労働基本権が保障されている事を明言しています。

 

※ この東京都教組事件と同日になされた全司法仙台事件判決は、国家公務員に対しても、法律の文面を文字通り解釈すれば違憲だけど、二重のしぼり論により、合憲限定解釈を採るという同じ手法を用いました。これが、後に出てくる全農林警職法事件によって、「文字通り解釈すれば違憲だけど、」という前提部分からして、ひっくり返ります。