全逓東京中郵事件

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全逓東京中郵事件(最大判昭和41・10・26)

:要約p.195、百選Ⅱ(第5版)151事件p.316、百選Ⅱ(第6版)144事件p.308、伊藤69事件p.483

 

全逓信労働組合の役員であった被告人らは、東京中央郵便局の従業員に対し、勤務時間内に食い込む職場集会に参加するよう説得して、38名の従業員を職場から離脱させた。この行為が、郵便物不取扱いの罪(郵便法79条1項)の教唆に当たるとして起訴された事件。

 

争点 公共企業体等の職員の争議行為をあおる行為を処罰することは憲法28条に違反しないか

結論 違反する場合もある

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「労働基本権は、たんに私企業の労働者だけについて保障されるのではなく、公共企業体の職員はもとよりのこと、国家公務員や地方公務員も・・・原則的には、その保障を受けるべきものと解される」

 

・・・このように述べて、政令201号事件判決では「特別の取扱」とのみ述べて、定かではなかった公務員の労働基本権について、原則として、保障を受けるものと明言しています。

 

※ その上で、労働基本権にも「国民生活全体の利益の保障という見地からの制約を当然の内在的制約として内包している」とし、いわゆる5現業3公社の職員の行う業務は、❶「低廃が国民生活全体の利益を害し、国民生活に重大な障害をもたらすおそれがあること」、❷公共企業体等労働委員会によるあっせん、調停、仲裁の制度という代替措置があること等を理由として、民事責任を問う事を許容しました。刑事責任を問う事については、「国民生活に重大な障害をもたらす場合」に限って、肯定しました。