生産管理・山田鋼業事件

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生産管理・山田鋼業事件(最大判昭和25・11・15)

:要約記載なし、百選Ⅱ(第5版)150事件p.314、百選Ⅱ(第6版)143事件p.306

 

山田鋼業の労働組合は、解雇通告に対抗するため、ストライキを開始し、生産管理に入った。その生産管理の際、組合員である被告人らが工場内の会社所有の鉄板を搬出・売却した行為が業務上横領にあたるとして起訴された事件。

 

争点 争議権は無制限に認められるか

結論 無制限に認められる訳ではない

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「憲法は勤労者に対して団結権、団体交渉権その他の団体行動権を保障すると共に、すべての国民に対して平等権、自由権、財産権等の基本的人権を保障しているのであって、是等諸々の基本的人権が労働者の争議権の無制限な行使の前に悉く排除されることを認めているのでもなく、後者が前者に対して絶対的優位を有することを認めているのでもない。寧ろこれ等諸々の一般的基本的人権と労働者の権利との調和をこそ期待しているのであって、この調和を破らないことが、すなわち争議権の正当性の限界である。」

 

※ このように判示した上で、生産管理は、生産工程の指揮命令を経営者から剥奪するものであるから、「企業者側の私有財産の根幹を揺るがす」点において、一般的な争議方法の一つである同盟罷業(=みんなでサボる)とは性質が決定的に異なり、許されないものとしています。