愛媛玉串料訴訟

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愛媛玉串料訴訟(最大判平成9・4・2)

:要約p.139、百選Ⅰ(第5版)49事件p.100、百選Ⅰ(第6版)48事件p.102 、野坂第9章p.141、伊藤27事件p.194

 

愛媛県は、靖国神社の春秋の例大祭に玉串料として計4万5000円、みたま祭りに献灯料として計3万1000円、県護国神社の春秋の慰霊大祭に供物料として計9万円を支出した。これに対して愛媛県の住民は、知事らを相手取って、県に代位して損害賠償を求める住民訴訟を提起した事件。

 

争点 靖国神社及び護国神社は、憲法89条にいう「宗教上の組織若しくは団体」にあたるか

結論 あたる

 

※ 本判決は、大きな枠組みとしては、津地鎮祭判決の示した目的効果基準を用いています。そのあてはめは、最高裁が初めて政教分離違反を理由とした違憲を導いたもので、極めて重要ですが、それを示すためには相当量引用する必要があり、また、覚えるべきフレーズという訳ではありませんので、引用しませんでした。

 

※ あてはめにおいて特に重要な点は、「一般人が本件の玉串料等の奉納を社会的儀礼の一つにすぎないと評価しているとは考え難い」、「地方公共団体が特定の宗教団体に対してのみ本件のような形で特別のかかわり合いを持つことは、一般人に対して、県が当該特定の宗教団体を特別に支援しており、それらの宗教団体が他の宗教団体とは異なる特別のものであるとの印象を与え、特定の宗教への関心を呼び起こすものといわざるを得ない」、「香典・・・と宗教団体の行う祭祀に際して宗教団体自体に対して玉串料等を奉納することとでは、一般人の評価において全く異なるものがある」・・・といった形で、「一般人」という目線を特に重視していることです。この視点は、実は津地鎮祭事件判決が示した考慮要素にも含まれていることを確認しておいてください。