大阪地蔵像訴訟

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大阪地蔵像訴訟(最判平成4・11・16)

:要約p.138、百選Ⅰ(第5版)53事件p.108、百選(第6版)掲載なし

 

大阪市が市営住宅の建替事業を実施した際、地元の町会から市営住宅の敷地内に地蔵像を建立したい旨の申出を受け、建替事業の円滑な推進のため、市有地約4㎡の目的外無償使用を許可した。また、別の町会から別の地蔵像移設の申出を受けた際も、市有地約7㎡の無償転貸を許可した。これに対して、大阪市の住民が、大阪市長に対し、市有地明渡請求の懈怠は違法であることの確認を求める住民訴訟を提起した事件。

 

争点 事業の円滑な進行を目的とした地蔵像建立のための市有地の提供は政教分離原則に反するか

結論 反しない

 

※ 津地鎮祭事件の示した目的効果基準を用いています。市有地の無償使用の意図、目的は、事業の円滑な進行を図る等の「何ら宗教的意義を帯びないものであった」し、地蔵信仰は既に「宗教性は希薄なものとなっている」ため、「その目的及び効果にかんがみ、その宗教とのかかわり合いが我が国の社会的・文化的諸条件に照らし信教の自由の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものとは認められず、憲法20条3項あるいは89条の規定に違反するものではない」と判断しました。また、先例として津地鎮祭判決、自衛官合祀事件判決が挙げられています。