内閣総理大臣の靖国神社公式参拝事件

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内閣総理大臣の靖国神社公式参拝事件(大阪高判平成4・7・30)

:要約記載なし、百選Ⅰ(第5版)50事件p.102、百選Ⅰ(第6版)49事件p.104

 

当時の内閣総理大臣である中曽根康弘が、靖国神社に公式参拝し、拝殿で「内閣総理大臣中曽根康弘」と記載し、供花料の名目で公費から3万円を支出した。これに対し、原告6名が、宗教的人格権等を侵害されたとして、国及び中曽根康弘に損害賠償・慰謝料を請求して出訴した事件。

 

争点 内閣総理大臣による靖国神社公式参拝は、政教分離原則に違反するか

結論 直ちに違反とは断定し難いが、違反する疑いがある

 

「(本件公式参拝が、)行われた場所、・・・一般人に与える効果、影響、その他・・・の諸事情を総合し、社会通念に従って考えると・・・宗教的活動に該当する疑いが強く、公費から3万円を支出して行った本件公式参拝は、憲法20条3項、89条に違反する疑いがある」

 

・・・このように判断しましたが、続けて、原告は「法律上、保護された具体的な権利ないし利益の侵害を受けたことはないし、また、慰謝料をもって救済すべき損害を被ったこともな」いとして、原告の請求を斥けました。

 

※ 本件は、高裁判決であり、最高裁レベルで、靖国神社公式参拝が、「違憲の疑いがある」と表現された事はありません。原告に訴えの利益等がないとのみ判断して、門前払いの結論となっています。