牧会事件

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牧会事件(神戸簡判昭和50・2・20)

:要約p.132、百選Ⅰ(第5版)43事件p.88、百選Ⅰ(第6版)43事件p.92

 

牧師である被告人は、建造物侵入罪等を犯した少年らについて、過激グループから引き離し、深い思案をする場所が少年らに何より必要と考え、知人の牧師に身柄を預け、警察に少年らの所在を尋ねた際、知らない、と回答した後、少年らを説得した上で自首させた。この被告人の行為が犯人蔵匿罪にあたるとして起訴された事件。

 

争点 国家の刑事司法作用の保護と宗教行為の自由では、常に国権が私権に優先するか

結論 常に優先するとは断じえない

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「(牧会活動は、)形式的には宗教の職にある牧師の職の内容をなすものであり、実質的には日本国憲法20条の信教の自由のうち礼拝の自由にいう礼拝の一内容・・・をなすものであるから、それは宗教行為としてその自由は日本国憲法の右条項によって保障され、すべての国政において最大に尊重されなければならない」

 

「宗教行為の自由が基本的人権として憲法上保障されたものであることは重要な意義を有し、その保障の限界を明らかに逸脱していない限り、国家はそれに対し最大限の考慮を払わなければならず、国家が自らの法益を保護するためその権利を行使するに当たっては、謙虚に自らを抑制し、寛容を以てこれに接しなければならない。国権が常に私権・・・に優先するものとは断じえない