南九州税理士会政治献金事件

Pocket

 

南九州税理士会政治献金事件(最判平成8・3・19)

:要約p.72、百選Ⅰ(第5版)40事件p.82、百選Ⅰ(第6版)39事件p.83 、小山3事件p.18、伊藤19事件p.137

 

南九州税理士会は、税理士法を業界に有利な方向に改正するための政治工作資金として、特別会費5000円を各会員から徴収する決議をなしたが、同会員であった原告は、これを拒否したところ、役員の選挙権及び被選挙権を停止された。そこで、原告が、上記決議に基づく特別会費納入義務の不存在確認等を求めて出訴した事件。

 

争点 政党等への寄付は、税理士会の目的の範囲内といえるか

結論 目的の範囲外である

 

【覚えるべきフレーズ】

 

「会社における目的の範囲内の行為とは、定款に明示された目的自体に限局されるものではなく、その目的を遂行する上に直接又は間接に必要な行為であればすべてこれに包含され(る)、・・・しかしながら、税理士会は、会社とはその法的性格を異にする法人であって、その目的の範囲については会社と同一に論ずることはできない。」

 

・・・とした上で、「税理士会は強制加入団体であって、その会員には、実質的には脱退の自由が保障されていない」こと、「政党など規正法上の政治団体に対して金員の寄付をするかどうかは、選挙における投票の自由と表裏を成すものとして、会員各人が市民としての個人的な政治思想、見解、判断等に基づいて自主的に決定すべき事柄である」ことを主な理由として、「強制加入団体」である税理士会の「寄付」行為は、目的の範囲外であると判断しました。