東京都青年の家事件

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東京都青年の家事件(東京高判平成9・9・16)

:要約p.46、百選Ⅰ(第5版)33事件p.68、百選Ⅰ(第6版)31事件p.66

 

同性愛者の団体である原告は、青年の家の宿泊利用を申し込んだところ、青年の家の所長は、申込みを受理しなかった。そこで原告は、東京都教育委員会に利用承認を求める請願書を出したが、承認されなかったため、代替宿泊施設の宿泊費・食費等との差額等を求めて、東京都を相手として訴訟を提起した事件。

 

争点 男女別室宿泊の原則を同性愛者に機械的に適用するのは、不当な差別取扱いとして裁量権逸脱となるか

結論 裁量権の範囲を逸脱したものである

 

【覚えるべきフレーズ】

 

※ 理屈の流れを押さえて頂きたいです。

判示内容の流れを私の言葉で説明すると、 

「男女別室宿泊の原則それ自体は、異性愛者の性的行為を防止するための措置で合理的」

→「この原則を同性愛者にそのまま適用すると、一人一人別室にする必要があり、それは非現実的である結果、同性愛者の利用権を不当に制限することになるため、原則を一定程度修正する必要がある」

→「原則をどの程度、そしてどのように修正するかは、裁量事項である。」

→「しかし、本件では同性愛者の利用権との調整を図ろうとした検討した形跡もうかがえない。これでは裁量の逸脱と評価せざるをえない」

・・・という理屈の流れです。