『石に泳ぐ魚』事件

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『石に泳ぐ魚』事件(最判平成14・9・24)

:要約p.37、百選Ⅰ(第5版)69事件p.140、百選Ⅰ(第6版)67事件p.142

 

後の芥川賞作家である柳美里は、顔に腫瘍のある知人をモデルとする小説『石に泳ぐ魚』を発表したが、モデルとなった知人がプライバシー侵害等を理由として慰謝料の支払、謝罪広告の掲載、単行本の出版等による公表の差止め等を求めて出訴した事件。

 

 

争点 顔の腫瘍の有無は、プライバシーに属する情報か

結論 プライバシーに属する情報である

 

 

※ 第1審と高裁は、顔の腫瘍のような身体的特徴がプライバシーに該当するとしていますが、最高裁は、そこまで言及していません。ですので、上記「争点」と「結論」は、東京高裁の判断ということになります。

※ また、本件小説の単行本出版差し止めを最高裁は認容していますが、これは司法権が主体であることから「検閲」に該当しないのはもちろんのこと、雑誌媒体での公表は既になされていますので、表現の事前抑制という議論がそのまま妥当する局面でもない事を知っておく必要があるように思います。