地方自治関係の定義集

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【地方自治】

 

地方自治規定の性格(国法伝来説、承認説) 自治権は国法に由来する、とする 読本(初版)332頁
地方自治規定の性格(固有権説) 地方自治体の自然権・固有権を保障している、とする 読本(初版)332頁
☆☆ 地方自治規定の性格(制度的保障説) 地方自治という制度を憲法は保障している、とする 読本(初版)332頁
★★★ 地方自治の本旨(92条) 住民自治と団体自治の二つの要素がある 芦部(第6版)367頁、読本(初版)332頁
★★★ 住民自治 地方自治が住民の意思に基づいて行われるという民主主義的要素 芦部(第6版)367頁、読本(初版)332頁
★★★ 団体自治 地方自治が国から独立した団体に委ねられ、団体自らの意思と責任の下でなされるという自由主義的・地方分権的要素 芦部(第6版)367頁、読本(初版)332頁
☆☆ 地方自治の保障の趣旨(判例) 住民の日常生活に密接な関連を持つ公共的事務は、その地方の住民の手でその住民の団体が主体となって処理する政治形態を保障せんとする趣旨に出たものである、とする。 読本(初版)332頁
「地方公共団体」(93条、通説) 市町村のほかに、都道府県も含まれる。従って、憲法は市町村・都道府県の二層制を保障する。 読本(初版)333頁
☆☆ 「地方公共団体」(93条、判例) 事実上住民が経済的文化的に密接な共同生活を営み、共同体意識をもっているという社会的基盤が存在し、沿革的に見ても、また現実の行政の上においても、相当程度の自主立法権、自主行政権、自主財政権等地方自治の基本的機能を附与された地域団体であることを必要とする(東京都区長選挙事件判決) 芦部(第6版)368頁、読本(初版)333頁
☆☆ 「住民」(93条2項、判例) 憲法93条2項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味する。 読本(初版)334頁
住民監査請求 住民が、長から独立した機関である監査委員に、長等の職員の財務会計上の行為に対する監査を求めるもの 読本(初版)334頁
☆☆ 「条例」(94条) 地方公共団体が、その自治権に基づいて制定する自主法。議会の議決した条例のほか、長や各種委員会の制定する規則を含む。 芦部(第6版)369頁、読本(初版)335頁
☆☆ 条例による財産権の内容の規制が許されるか(憲法29条2項との関連) 条例は住民の代表機関である議会の議決によって成立する民主的立法であり、実質的には法律に準ずるものであるから、条例による財産権の内容規制も許される 芦部(第6版)371頁
☆☆ 条例にその違反に対する制裁として罰則を定めることができるか(憲法31条、73条6号との関連) 条例は、公選の議員をもって組織する地方公共団体の議会の議決を経て制定される自治立法であって、行政府の制定する命令等とは性質を異にし、むしろ国民の公選した議員をもって組織する国会の議決を経て制定される法律に類するものであるから、条例によって刑罰を定める場合には、法律の授権が相当な程度に具体的であり、限定されていれば足りる(判例) 芦部(第6版)371頁
☆☆ 条例による地方税の賦課徴収が許されるか(憲法84条との関連) 地方公共団体は自治権の一つとして課税権を有し、84条の「法律」には条例も含まれると解すべきため、条例による地方税の賦課徴収も許される 芦部(第6版)371頁
★★★ 条例が国の法令に違反するかの基準(判例) 条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容および効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによってこれを決しなければならない(徳島市公安条例事件判決) 芦部(第6版)373頁、読本(初版)337頁

 

 

上乗せ条例 条例で国の法令よりも厳しい規制を定める場合をいう 小山「作法(第3版)」55頁
横出し条例 条例で国の法令が規制していない対象に規制を及ぼす場合をいう 小山「作法(第3版)」55頁
上積み条例 給付立法の分野において、国の定める給付内容を拡張する条例をいう 小山「作法(第3版)」55頁
☆☆ 地方政府の自治権の根拠(制度的保障説) 地方政府の自治権は中央政府の統治権に由来するが、中央政府によって侵害されえない一定の権限がある、とする。 渋谷「論じ方(第2版)」23頁
地方政府の自治権の根拠(固有権説) 地方政府は中央政府に先行する存在で、固有の自治権がある、とする。 渋谷「論じ方(第2版)」23頁、小山「作法(第3版)」58頁
地方政府の自治権の根拠(伝来説) 地方政府の自治権は、中央政府の統治権に由来する、とする。 渋谷「論じ方(第2版)」23頁、小山「作法(第3版)」58頁
地方政府の自治権の根拠(人民主権、人権保障説) 地方政府の自治権は人権によって正当化される、とする。 渋谷「論じ方(第2版)」24頁
☆☆ 住民自治 地方自治が住民の意思に基づき行われる民主主義的要素。地方参政権。 渋谷「論じ方(第2版)」25頁
☆☆ 団体自治 地方自治が中央政府から独立した地方政府に委ねられ、それを地方政府が自ら行うという自由主義的要素。地方政府の地方統治権。 渋谷「論じ方(第2版)」25頁
☆☆ 「法律の範囲内」(94条) 条例制定手続が法律で定められていること、条例の所管事項も法律で制約されること、条例の形式的効力が法律の形式的効力よりも弱いことを意味する。ただし、地方自治を憲法で保障した趣旨からすれば、法律の条例に対する優越性も、「地方自治の本旨」(92条)に反しない限り、という留保付きで認められるものである。 渋谷「論じ方(第2版)」39頁