参政権関係の定義集

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【参政権】

 

 

☆☆ 参政権 国民が、主権者として、(直接または代表者を通じて、)国の政治に参加する権利 芦部(第6版)260頁、読本(初版)199頁
選挙運動の自由 特定の選挙において特定の候補者の当選を得せしめ、または得せしめないことを直接・間接の目的としてなされる必要かつ有利な一切の行為を行う自由 芦部(第6版)260頁
公務就任権 公務員となりうる資格ないし能力 芦部(第6版)260頁
公務員 広く立法・行政・司法に関する国および地方公共団体の事務を担当する職員 芦部(第6版)260頁
選挙 有権者の集合体(選挙人団)によって、国会議員等の公務を担当する者(公務員という国家機関)を選定する集合的な行為 芦部(第6版)261頁
選挙権 各有権者が一票を投ずることによって、選挙に参加することができる権利 芦部(第6版)261頁
☆☆ 選挙権の意義(判例) 国民の国政への参加の機会を保障する基本的権利として、議会制民主主義の根幹をなす(在外国民選挙権事件判決) 読本(初版)200頁
選挙権の法的性格(一元説) (プープル主権説を前提に、)選挙権は人民の主権的権利である、と捉える 読本(初版)200頁
選挙権の法的性格(二元説) 選挙権は国民の基本的権利であると同時に、公務員という国家機関を選定する公務であるから、純粋な個人権とは異なる側面がある、と捉える 読本(初版)200頁
☆☆ 選挙権の制限の判断枠組み(判例) そのような制限をすることなしには選挙の公正を確保しつつ選挙権の行使を認めることが事実上不能ないし著しく困難であると認められる場合でない限り、選挙権の行使を制限することは憲法に違反する(在外国民選挙権事件判決) 読本(初版)201頁
☆☆ 普通選挙 財力(財産または納税額)・教育・性別などを選挙権の要件としない選挙制度 芦部(第6版)263頁、読本(初版)201頁
制限選挙 財力(財産または納税額)・教育・性別などを選挙権の要件とする選挙制度 芦部(第6版)263頁、読本(初版)201頁
複数選挙 特定の選挙人に二票以上の投票を認める制度 芦部(第6版)265頁
等級選挙 選挙人を特定の等級に分けて、等級ごとに代表者を選出する制度 芦部(第6版)265頁、読本(初版)202頁
☆☆ 平等選挙 複数選挙や等級選挙を否定し、選挙権の価値は平等とする、すなわち一人一票を原則とする制度 芦部(第6版)265頁、読本(初版)202頁
自由選挙(自由投票) 棄権しても罰金・公民権停止・氏名の公表などの制裁を受けない制度 芦部(第6版)265頁、読本(初版)202頁
秘密選挙(秘密投票) 誰に投票したかを秘密にする選挙制度。 芦部(第6版)265頁、読本(初版)202頁
公開選挙 投票内容の公開を義務づける選挙制度 読本(初版)202頁
直接選挙 選挙人が公務員を直接に選挙する制度 芦部(第6版)265頁、読本(初版)202頁
間接選挙 選挙人がまず選挙委員(中間選挙人)を選び、その選挙委員が公務員を選出する制度 芦部(第6版)265頁、読本(初版)202頁
準間接選挙(複選制) すでに選挙されて公職にある者(例えば都道府県会議員)が公務員(例えば国会議員)を選挙する制度 芦部(第6版)266頁、読本(初版)202頁
一票の重みの較差 人口移動によって各選挙区毎の有権者数に変化が生じ、有権者の一票の重みの不均衡が生じるという現象 読本(初版)202頁
☆☆ 合理的期間論(判例) 投票価値の較差は、選挙権の平等に違反した段階で直ちに違憲となるのではなく、憲法上要求される合理的期間の間に是正が行われない場合に初めて違憲となる、とする理論 読本(初版)204頁
一人別枠方式 小選挙区の区割りにあたって、各都道府県に一議席を配分し、残りの議席を人口比例で都道府県に配分する、という区割り方式。近年、最高裁は、一人別枠方式の合理性はもはや失われたとして、同方式は違憲状態にあるとの判断を示した。 読本(初版)204頁
被選挙権の権利性(かつての判例) 選挙人団からの指名を承諾して公務員になる資格であり、権利ではなく権利能力に過ぎない 読本(初版)206頁
☆☆ 被選挙権の権利性(現在の判例・通説) 立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏の関係にあり、憲法15条1項の保障する基本的人権である(三井美唄炭坑事件判決) 読本(初版)206頁

 

 

 

選挙運動(判例) その選挙につきその人に当選を得しめるため投票を得若しくは得しめる目的を以て、直接または間接に必要かつ有利な周旋、勧誘若しくは誘導その他諸般の行為をなすこと 渋谷「論じ方(第2版)」265頁
☆☆ 選挙権の性格(二元説・多数説) 選挙権の行使には、参政権という憲法・法律によって保障された主観的権利の行使と、公務の執行、つまり国等の統治団体の機関の創造を担う(=つまり公務員を選任する)という、2つの側面がある、とする説 渋谷「論じ方(第2版)」272頁
選挙権の性格(一元説) 政治的意思決定能力をもつ人々が国家権力(=主権)を行使するのは当然の主観的権利、と解する説 渋谷「論じ方(第2版)」272頁
☆☆ 普通選挙 制限選挙に対置され、広義には人種・言語・職業・身分・財産・納税・教育・宗教・政治的信条・性別などを選挙権の要件(有権者の資格)としない選挙をいい、狭義には財力の有無・多少、つまり納税額・財産の程度によって選挙権の有無を決しない選挙 渋谷「論じ方(第2版)」274頁
☆☆ 平等選挙 差等選挙に対置され、身分・財産・教育・納税額等によって選挙権に差をつけない選挙 渋谷「論じ方(第2版)」274頁
直接選挙 間接選挙に対置され、選挙人が被選挙人を直接選挙するというもの 渋谷「論じ方(第2版)」275頁
自由投票 強制投票に対置されるもので、広義には選挙人がその信じるところにしたがい投票する自由および投票しない自由(棄権の自由)を意味するが、狭義には棄権の自由を意味し、投票・棄権のいずれに対しても制裁がない制度をいう。 渋谷「論じ方(第2版)」276頁
秘密投票 文字通りだれに投票したかを秘密にする制度で、公開投票に対置される 渋谷「論じ方(第2版)」276頁
☆☆ 投票価値の平等(判例) 各選挙人の投票の価値、すなわち各投票が選挙の結果に及ぼす影響力においても平等であること 渋谷「論じ方(第2版)」279頁
☆☆ 事情判決の法理 違憲・違法としても結果的に公の利益に著しい侵害が生ずる場合には、違法と宣言するにとどめその選挙の行為の効力は維持するという法理 渋谷「論じ方(第2版)」280頁